クッキーのヒントになった英国のお菓子たちをご紹介

ヴィクトリア女王が愛した「ヴィクトリアケーキ」。どっしりとした2枚のスポンジ生地に、いちごやラズベリーのジャムを挟んだ素朴なケーキは、その見た目から「ヴィクトリアサンドイッチ」とも呼ばれています。浅い焼き型を2つ使えば焼くのも冷めるのも早く、カットの必要もなし。なんともイギリスらしい合理的な作り方ですが、紅茶との相性は抜群。ティータイムに欠かせない存在です。

Victoria Raspberry

ビスケットの土台に、キャラメル色のトフィーをオン。さらに上からバナナと生クリームで飾れば、イギリス人の大好物「バノフィーパイ」の完成です。トフィーの正体はコンデンスミルク。缶ごと何時間も煮詰めてキャラメル色になったら、ビスケットにたっぷりかけて。なんとも大胆な作り方ですが、バナナと生クリームなら間違いありません。コーヒーソースやチョコレートのトッピングも忘れずに。

Banana Caramery

紅茶にレモンは入れませんが、イギリス人はレモンが好き。なかでも、ママが作るお菓子の定番は「レモンドリズルケーキ」。しとしと雨が降るように、焼きあがったケーキの上にレモンシロップをたっぷりかけます。その光景はまるで、雨が降り止まないイギリスの空のよう。爽やかで酸味の効いたレモン風味のパウンドケーキ。竹串でスポンジに穴を開けて浸透させている姿がまたイギリス的です。

Lemon de Lemon

紅茶のお供といえば、チョコレートとオレンジジャムのビスケット「ジャファケーキ」。苦味と甘味、酸味が混ざり合ったやみつきになるお菓子です。イギリスでのビスケットとケーキの違いは「時間が経つと柔らかくなるか、固くなるか」だそう。その基準でいうと「ジャファケーキ」はケーキ。イギリスではチョコビスケットは課税対象ですが、チョコケーキには税金がかからないのです。

Orange choco bitter

ショートブレッド、チョコレート、ビールに紅茶と、イギリス人は生姜好き。「ジンジャーブレッド」といえばチャーミングな人型のクッキーが有名ですが、ここでいう「ジンジャーブレッド」は、ゴールデンシロップやブラックトリークルのこっくりとした甘さと生姜の刺激が調和する、しっとりとしたケーキ。イギリスの多くのお菓子と同様に、混ぜて焼いて切るだけのシンプルなスタイルです。

Spicy gingers